IEAT(タイ工業団地公社)就労・滞在審査基準

IEATより土地利用許可を受けている企業(主に製造業・倉庫業など)は、同公社が定める基準に基づき、優遇措置の適用を受けた就労許可・滞在許可を申請することができます。BOI制度と類似した制度ですが、認可要件等には違いがあります。
なお、IEATおよびBOIの両方の認可を受けている企業については、いずれか一方を選択して申請することが可能です。

以下に、2022年に発布された審査基準に関する規則の日本語訳を掲示致します。

文書名「タイ工業団地公社委員会規則:外国人が王国内に滞在する人数および期間の設定基準、ならびに王国内滞在を許可された技能者または専門家である外国人に工業団地内で就労することを許可する職務・職位の設定に関する規則(2022年)」 ( 2022年6月14日官報にて公開)

前文及び一般規定

タイ工業団地公社委員会告示「外国人が王国内に滞在する人数および期間の設定基準、ならびに王国内滞在を許可された技能者または専門家である外国人に工業団地内で就労することを許可する職務・職位の設定に関する基準」を改正することが相当であるため、タイ工業団地公社法(仏暦2522年)第45条(同法第4号・仏暦2550年により改正)および第46条、ならびに2022年2月14日のタイ工業団地公社委員会第2/2565回会議の決議に基づき、タイ工業団地公社委員会は次のとおり規則を制定する。
公布日:2022年4月5日 ナリン・カンラヤナミット タイ工業団地公社委員会委員長

第1条 この規則は「外国人が王国内に滞在する人数および期間の設定基準、ならびに王国内滞在を許可された技能者または専門家である外国人に工業団地内で就労することを許可する職務・職位の設定に関するタイ工業団地公社委員会規則(仏暦2565年)」という。

第2条 この規則は、公布日の翌日から施行する。

第3条 2008年6月10日付のタイ工業団地公社委員会告示「外国人が王国内に滞在する人数および期間の設定基準、ならびに王国内滞在を許可された技能者または専門家である外国人に工業団地内で就労することを許可する職務・職位の設定に関する基準」は廃止する。

第4条 この規則において、用語の意味は次のとおりとする。
「事業者」とは、工業団地内で事業を営む許可を受けた工業事業者、サービス事業者または商業事業者をいう。
「外国人」とは、タイ国籍を有しない自然人で、技能者または専門家である者をいう。
「配偶者」とは、外国人の法律上の妻または夫をいう。
「扶養者」とは、外国人の法律上の父母および子をいう。
「申請」とは、外国人を王国内に入国・滞在させ、工業団地内で就労させる許可申請、ならびに当該外国人の配偶者および扶養者を王国内に入国・滞在させる申請をいう。

第5条 外国人を王国内に入国・滞在させ、工業団地内で就労させ、あわせて当該外国人の配偶者および扶養者を王国内に入国・滞在させようとする事業者は、タイ工業団地公社(IEAT)が定める様式により、IEATに申請しなければならない。

第6条 IEATは、第5条の申請を速やかに審査する。申請または申請資料が不完全または不正確である場合、IEATは事業者に対し、指定期間内に補正するよう書面で通知する。事業者が当該期間内に補正しない場合、その申請は放棄されたものとみなし、IEATは事業者に案件を返却する。申請または申請資料が完全かつ正確であるとIEATが認めた場合、または事業者が指定期間内に補正した場合、IEATは事業者から通知書を受領した日から7営業日以内に審査結果を通知する。

審査基準

第7条 事業者が外国人を王国内に入国させ、工業団地内で就労させる人数、職位レベルおよび許可期間については、IEATが事業の種類、登録資本金、タイ人労働者数および事業用地面積に基づき、この規則末尾の別表1および別表2に従って審査する。

第8条 第7条により許可を受けた事業者は、次の基準および条件に従い、外国人ならびに当該外国人の配偶者および扶養者を王国内に入国・滞在させ、工業団地内で就労させることができる。
(1)事業者が事業用地使用の許可を受けたときは、別表2に定める管理職レベルおよびマネジメントレベルの外国人を入国・滞在および就労させることができる。
(2)事業者が建物検査の認証を受けたときは、別表2に定める機械設置、試運転または機械に関連する業務を行う外国人を入国・滞在および就労させることができる。
(3)事業者が工業操業開始の届出許可を受けたときは、別表2に定める外国人を入国・滞在および就労させることができる。

第9条 外国人の配偶者および扶養者が王国内に滞在できる期間は、当該外国人が王国内に滞在し工業団地内で就労する許可期間を超えてはならない。配偶者は法律上の配偶関係を示す証拠を提出しなければならない。扶養者は、法律上の父母または満20歳以下の法律上の子であることを示す証拠を提出しなければならない。王国内滞在を許可され、滞在中に満20歳となった法律上の子が引き続き外国人と共に滞在を希望する場合、教育省が認定する教育機関に在学中であることを示す証拠を提出しなければならない。ただし、当該許可は当該子が満25歳を超えない期間に限られ、当該子が障害により自立して生計を営めない場合を除き、また外国人本人の滞在・就労許可期間を超えてはならない。

第10条 第7条により王国内滞在および工業団地内就労を許可された外国人の職務・職位の承認について、IEATは次の基準および条件に従って審査する。

(1)DIRECTORの職位は、MANAGING DIRECTOR、MARKETING DIRECTOR、FINANCIAL DIRECTORなど、事業者のいずれかの分野のDIRECTORでなければならない。MANAGING DIRECTORの承認を受けた場合、GENERAL MANAGERの承認は原則として行わない。ただし(3)の資格を有する事業者の場合を除く。

(2)PRESIDENTならびにFINANCE、ADMINISTRATIVEまたはGENERAL AFFAIRSに関する職位は、次の場合に限り許可する。①外国人の持株比率が登録資本金の50%を超え、かつ投資額が2,000万バーツ以上である場合、または外国人持株比率が100%である場合。②外国人の持株比率が登録資本金の50%未満であるが、登録資本金における株式価額が5,000万バーツ以上である場合。

(3)上級管理職のASSISTANT職および工場部門のASSISTANT職については、外国人持株比率が登録資本金の50%を超え、かつ資本金が1億バーツ以上である事業者に限る。複数製品の製造、または工業団地内の異なる場所に複数の工場・事業所がある場合など、必要性に応じて許可を審査する。

(4)MARKETING、EXPORTおよびSALESの職位は、それぞれ1名を原則として許可する。ただし、市場が地域(ZONE)ごとに複数に分かれる場合(例:アジア、欧州、北米など)は、1名を超えて許可することができる。

第11条 第10条により承認された職務・職位で王国内滞在および工業団地内就労を許可された外国人は、各職位について次の資格も満たさなければならない。

(1)別表2に定める管理職レベルおよびマネジメントレベルの職位は、満25歳以上で、従事予定の職務に直接関連する実務経験が5年以上あること。

(2)別表2に定める監督レベルおよびその他の職位は、満23歳以上で、職務分野に合致する学歴を有し、従事予定の職務に直接関連する実務経験が2年以上あること。学歴が職務分野に合致しない場合は、関連する実務経験が5年以上必要である。

第12条 第7条の場合において、事業者が操業後、追加で外国人の入国・滞在および工業団地内就労の許可を必要とする場合、IEATは、次のいずれかに該当すると認められるときは許可することができる。

(1)工業団地内に複数の工場または事業所を有する場合、または1つの工場・事業所で複数のプロジェクトを有する場合。

(2)複数シフトで操業する場合。

(3)製造工程の変更・改善、生産能力の拡大、新機械の設置、または製品の効率・標準の改善を行った場合。

(4)当該分野におけるタイ人技能者・専門家が不足している場合、またはタイ人労働者が技術移転をまだ受けられない場合。

第13条 IEATが、外国人ならびにその配偶者および扶養者の王国内入国・滞在および工業団地内就労の許可手続を電子システムで行うものと定めた場合、IEATが定める電子システムにより行われた手続は、この規則に基づく手続とみなす。

第14条 総裁はこの規則の施行を担当し、この規則の実施のための規程を発する権限を有する。この規則の運用上問題が生じた場合、総裁が最終判断を行う。

別紙1 タイ工業団地公社(IEAT)の工業団地内における外国人就労者の入国および就労許可人数に関する基準

タイ工業団地公社(IEAT)の工業団地内における外国人就労者の入国および就労許可人数に関する基準(工業団地内における技能工または専門家である外国人の入国・就労人数および滞在期間の指定基準に関するタイ工業団地公社執行委員会規程 仏暦2565年)

1.工業団地内における外国人の入国および就労許可人数の審査基準

外国人の許可人数は、企業の事業区分、登録資本金、タイ人従業員数および敷地面積(ライ)に応じて、以下の表のとおり定める。

※注:「外国人の人数(人)」下の数字は土地面積(1ライ=1,600平方メートル)

ターゲット産業および高度技術を要する産業
登録資本金(百万バーツ)

タイ人従業員数(人) 外国人の人数(人) 特別基準地区
10未満 10~30 30~70 70~100 100超
50以下 1 – 300 14 21 32 47 66 通常基準の50%を超えない範囲で増員可能
301以上 17 26 39 56 77
51 – 500 1 – 300 22 33 50 69 94
301以上 25 38 57 78 105
500超 1 – 300 30 45 68 91 122
301以上 33 50 75 100 133
一般産業およびサービス業・商業
登録資本金(百万バーツ)
(百万バーツ)
タイ人従業員数(人) 外国人の人数(人) 特別基準地区
10未満 10~30 30~70 70~100 100超
50以下 1 – 300 10 15 23 34 48 通常基準の50%を超えない範囲で増員可能
301以上 13 20 30 43 59
51 – 500 1 – 300 14 21 32 46 63
301以上 17 26 39 55 74
500超 1 – 300 18 27 41 58 78
301以上 21 32 48 67 89

 

2.用語の定義

「ターゲット産業」とは、以下を指します:

(1) ファッション関連産業:繊維、宝石、皮革など
(2) 自動車産業(Automotive Industry):エンジン、部品・アクセサリー、および自動車車体の製造など
(3) 金型製造産業(Mold and Die)
(4) 食品産業
(5) ターゲット産業のための国の競争力強化法に基づくターゲット産業

「高度技術を要する産業」とは、以下を指します:

(1) 高い製造技術(High Manufacturing Technology)を必要とする製品の製造:例としてウエハ製造(Wafer Fabrication)、マイクロプロセッサ、および集積回路設計(Integrated Circuit Design)など
(2) 研究開発(Research and Development: R&D)業務
(3) 製品デザイン(プロダクトデザイン)業務

「一般産業」とは:

ターゲット産業および高度技術を要する産業に該当しない工業を指します。

「特別基準」とは:

以下のいずれかの事業運営における事実に基づき、通常の基準を超えて外国人の就労人数枠の拡大を許可する審査基準を指します。

(1) 事業管理(マネジメント)関係

(a)同一の事業者の管理下に複数の工場(Plant)がある場合
(b)複数のプロジェクトや複数の製品ラインを有する場合
(c)生産体制が複数シフト制に分かれている場合

(2) 生産関係

(a)生産プロセスの変更または改善がある場合
(b)生産能力の拡大、または新しい機械の導入・設置がある場合
(c)生産効率および製品基準の向上・改善がある場合

(3) 地域オフィス(REGIONAL OFFICE:地域統括本部など)

(a)タイに生産・貿易拠点を移転した場合
(b)地域物流センター(REGIONAL DISTRIBUTION CENTER)である場合
(c)研究・開発センターである場合
(d)地域内における人材開発センターである場合

別紙2:職位レベルおよび許可期間

タイ工業団地公社理事会規則「外国人に対して王国への入国・滞在を許可する人数および期間の決定基準、ならびに滞在許可を受けた技能工または専門家である外国人に対して工業団地内での就労を許可する役職・職務の決定基準に関する規則 B.E. 2565 (2022年)」付録

  職位 初回許可 更新(各回) 備考
1 幹部レベル(例:CHAIRMAN、PRESIDENT、VICE PRESIDENT、GENERAL MANAGER、MANAGING DIRECTOR、CHIEF EXECUTIVE OFFICER(CEO)) 3〜5年 5年以内。ただしGENERAL MANAGER、MANAGING DIRECTOR、CEOは3年以内  
2 マネジメントレベル(例:FACTORY MANAGER、PRODUCTION MANAGER、QUALITY CONTROL MANAGER、FINANCIAL MANAGER、MARKETING MANAGER、ADMINISTRATIVE MANAGER、RESEARCH AND DEVELOPMENT MANAGER、PRODUCT DESIGNER MANAGER、CHIEF FINANCIAL MANAGER(CFO)、CHIEF INFORMATION OFFICER(CIO)) 2〜3年 3年以内。ただしR&D、製品設計、CFO、CIOは2年以内  
3 主任レベル(例:CHIEF ENGINEER/SUPERVISOR/ADVISOR、ELECTRICAL OR MECHANICAL ENGINEER、IT PROGRAMMER/DATA ANALYST/OFFICER、INJECTION MOLD、MAINTENANCE TECHNICIAN、EXPORT SPECIALIST/INSTRUCTOR、LIAISON/COORDINATOR) 1〜2年 2年以内。ただしIT、INJECTION MOLD、MAINTENANCE TECHNICIAN、EXPORT SPECIALIST/INSTRUCTOR、LIAISON/COORDINATORは1年以内  

4
その他:EQUIPMENT INSTALLATION TECHNICIAN 3か月〜1年 6か月以内  
その他:PARTICIPANT 9か月以内 3か月以内 更新は1回のみ

備考: 実際の役職名は上記のリストと完全に一致しない場合もありますが、その職務範囲(業務内容)は対応・適合している必要があります。

BOI 外国人給与・タイ人雇用の審査基準(2025年9月発行Q&Aの翻訳)

別投稿【(BOI就労許可の条件(職歴・学歴・年齢・給与等)】に掲載の通り、2026年1月(新設企業は昨年10月から)、外国人給与にかかる規定が開始されました。タイ人雇用条件に関するルールと合わせてQ&A集(ビザ・ワークパーミットサービスセンター第94号)が発行されましたので、この参考訳を掲載します。

 

第一章:タイ人雇用比率に関するQ&A

重要なお知らせ
BOI公告「Por.8/2568」の基準に関する問い合わせが多数寄せられているため、本号では多くの方に理解していただけるよう、外国人雇用条件についてFAQ形式で内容を整理します(公告 Por.8/2568 に準拠)


Q1:タイ人従業員を70%以上雇用する要件は、すべての事業に適用されますか。

A: すべての事業には適用されません。投資奨励を受けた「製造業」に限って適用され、かつ会社全体のタイ人従業員数と、製造業に所属する外国人常勤者数の合計(Single Window:SWで承認された人数)が100人を超える場合にのみ適用されます。(補足:Single Window=BOIの滞在・就労許可申請システム)

例:
会社Aが、製造業およびサービス業を含む3事業で投資奨励を受けており、雇用状況が以下の場合

  • タイ人従業員(全社):90人
  • プロジェクト1(製造業):外国人20人
  • プロジェクト2(製造業):外国人10人
  • プロジェクト3(TISO):外国人10人

製造業の外国人は30人、全体で120人となり、タイ人比率は75%。よってBOIの要件を満たします。


Q2:公告 Por8/2568 に基づく新措置は、いつから適用されますか。
A:2025年6月5日以前に投資奨励証を取得した事業:2026年1月1日から適用、2025年6月5日以降に取得した事業:2025年10月1日から適用


Q3:会社Aは製造業で101人を雇用(タイ人71人、外国人30人)しており、BOIの雇用比率要件を満たしています。その後、TISO事業でタイ人を増やさず、外国人2人をTISO枠で追加雇用したい場合、承認されますか。
A: 承認されます。TISOはサービス業であるため、この外国人2人は製造業の雇用比率計算(外国人数・全従業員数)には含まれません。


Q4:タイ人従業員が70%未満の場合、どうなりますか。

A:タイ人比率が70%を超えることを示す社会保険の証明書を提出するまで、外国人の新規就労申請や更新申請はできません。


Q5:70%比率の計算に含めない従業員の区分はどれですか。

A: 以下は算入しません。

  • 短期間の外国人就労者(滞在許可期間が6か月以内)
  • MOUに基づく労働者(補足:MOU=カンボジア・ミャンマー・ラオス・ベトナムとの労働力提供協約)
  • 製造業のBOI恩典を使用しない外国人(一般事業、工業団地公社〔IEAT〕、またはサービス業のBOI奨励証書を使用する者)

Q6:サブコントラクターやインターンはタイ人従業員として数えますか。

A: 会社が社会保険料を拠出しているタイ人従業員のみを算入します。


Q7:外国人常勤者数は何を基準に算定しますか。

A: Single Windowシステムで承認された、製造業のBOI恩典を使用する外国人の人数を基準とします。  


Q8:総人数が100人を超える場合、70%の雇用比率はどのように計算しますか。

A: 以下のいずれかで算定します。

  • 方法1: BOI恩典を使用する製造業の外国人常勤者数 ≤(タイ人従業員数 × 3)÷ 7
  • 方法2: 必要なタイ人従業員数 ≥(BOI恩典を使用する製造業の外国人常勤者数 × 7)÷ 3
    ※端数が出た場合は切り捨て。

Q9:タイ人従業員数はどの証拠書類に基づきますか。

A: 会社の社会保険証明書=保険料納付書:SPS1-10様式(フォーム1及び2)


Q10:総従業員数が100人以下の場合も、社会保険書類の提出は必要ですか。

A: はい。雇用比率を継続的に確認するため、すべての場合で提出が必要です。

Q11:社会保険書類はいつ提出する必要がありますか。

A:
① 初回申請時:
当規則施行前、または施行後に最初の外国人登録申請を行う前の最新月のSPS1-10を提出。

② 2回目以降の提出(2ケース)

  • ケース1: BOI恩典を使用する外国人(製造・サービス合計)が30人以下
     → 年1回、前年12月分賃金のSPS1-10を毎年2月までに提出。
     例: 会社A(製造業のBOI外国人28人)は2025年10月31日に2025年9月分を提出。
     次回は2026年2月28日までに2025年12月分を提出。
  • ケース2: BOI権利を使用する外国人(製造業のみ)が30人超
     → 最新月のSPS1-10を、3か月ごとに月末まで提出。
     例: 会社B(製造業のBOI外国人31人)が2025年9月15日に8月分を提出した場合、 次回は11月分を11月30日までに提出。
     ※3か月の起算は、直近提出分の賃金月から数えます。

③ 未提出の場合
SPS1-10の提出から3か月超が経過、または所定期限内に未提出の場合、システムが検知し、各種申請ができなくなります。

④ タイ人従業員を追加雇用した場合
最新月のSPS1-10を随時更新可能。その後は②の規定に従って提出。


Q12:所定期限内に社会保険の証明書を提出または更新しなかった場合、どうなりますか。

A: 外国人の新規登録申請および更新申請ができなくなります。


Q13:社員名、給与、その他の情報を、社内方針上の理由で非表示にできますか。
A: 一部または全部を非表示にすることはできません。
ただし、Single Windowシステム上で、給与担当の人事担当者や関係部署に専用ユーザーアカウントを付与し、その担当者が社会保険書類を提出することは可能です。他のユーザーは、社会保険書類を閲覧できない仕様になっています。

 

第二章:外国人所得要件に関するQ&A 

Q1:最低所得要件は、すべての国籍・すべての事業に適用されますか。

A: 一時的外国人従業員(滞在許可が6か月以内)を除き、SWシステムに登録されるすべての事業・すべての外国人職位に適用されます。最低所得額は、職位のレベルおよび種類によって異なります。


Q2:投資調査目的で入国する外国人、または投資奨励の承認を待つ間に入国する外国人、もしくは一時的に就労する外国人にも最低所得要件は必要ですか。 
A: 必要ありません。


Q3:最低所得はいくらですか。

A: 職位レベル・職種別の月平均最低所得は以下のとおりです。

  • Executive(CEO、MDなど): 150,000バーツ以上/月
  • Management(Manager、各種Advisorなど):
     75,000バーツ以上/月、または学士号保有者は50,000バーツ以上
  • Operation(エンジニア・研究者・IT専門家を除く):
     Technician、Specialist、Supervisor等:50,000バーツ以上/月
  • エンジニア・研究者・IT専門家:
     75,000バーツ以上/月、または専門分野に合致する学士号保有者は50,000バーツ以上
  • TISO事業(IBPO/BPO)のOperator: 35,000バーツ以上/月

Q4:所得が最低基準に満たない場合はどうなりますか。
A: 新規申請および更新のいずれも非承認となります。


Q5:CHAIRMAN、PRESIDENT、CEO、MANAGING DIRECTORは最低所得要件の免除対象ですか。
A: 免除されません。免除されるのは年齢および職務経験要件のみです。


Q6:「IT職」とはソフトウェア事業に限った「IT専門家」を指しますか。
A: いいえ。すべての事業分野におけるIT関連職位を指します。


Q7:職位名がManagement(例:Production Manager)の場合、Operationとして申請し、Operationの給与基準(50,000バーツ)を適用できますか。

A: できません。職位名および業務範囲に合致するレベルでのみ申請できます。
Production ManagerはManagementとして登録し、

  • 専門分野に合致する学士号がある場合:50,000バーツ以上
  • 学士号がない場合:75,000バーツ以上 が必要です。

なお、GENERAL MANAGERなど現在Executiveに分類されている職位で、過去にManagementとして承認されている外国人については、その職位を離れるまでManagementとして扱われます。


Q8:最低所得を証明するために必要な書類は何ですか。

A: 以下の書類を提出します。

新規申請時(赴任時)
給与額が明確に記載された雇用契約書。金額が明示されていない報酬(住居提供、運転手などの福利厚生)は含めません。契約は、

  • 投資奨励を受けたタイ法人との契約、
  • BOIの承認を受けた場合は、そのグループ会社との契約
  • タイ法人と直接契約がない場合は、海外の親会社との契約でも可(この場合、投資奨励事業での勤務を命じられていることを証明する書面を添付し、タイのBOI企業の権限者による署名が必要)

更新手続き時

  • PND1K(年次の源泉徴収税申告書)を使用。
  • 配属(雇用)から1年未満で、まだPND1Kの提出周期に達していない場合は、直近3か月以上のPND1を使用可。(補足:PND1=月次申告する、給与所得等の源泉税申告書)

海外親会社からの収入、またはBOIの許可を受けて、タイ国内のグループ会社で勤務したことによる収入を合算する場合は、PND90/91の使用を認めます。(補足:PND90/91=年次の個人所得税確定申告書)
この場合、収入の半分超がタイの投資奨励会社での勤務によるものであることを証明する書面を添付し、タイのBOI企業の権限者が署名する必要があります。


Q9:PND1/PNK1Kは全ページ添付が必要ですか。

A: 関連部分のみを、以下の順で添付します。

  1. 領収書
  2. 源泉徴収税申告書
  3. PND1/1Kの添付書類(外国人の氏名が記載されているページのみ)
  4. PND1/1Kの最終ページ(合計人数が記載されたページ)

Q10:従来、最低所得要件がなかった職位からの更新の場合、どの書類が必要ですか。

A: 公告施行後3か月以内に限り、PND1Kの代わりに直近1か月分のPND1のみの提出が認められます。これは、所得が最低基準に引き上げられたことを示すためです。なお、直近月にボーナスや一時金が含まれる場合は、その前月のPND1も添付し、当局は定期収入+ボーナス等を月割りして所得を算定します。


Q11:現在の職位を離れ、新しい職位に異動した場合、どの書類が必要ですか。

A: 前職を離れてから1年以内であれば、

  • 新しい雇用契約書

新職位の基準を満たす収入が確認できるPND1またはPND1Kを提出します。


Q12:海外親会社からの収入を合算できますか。必要書類は何ですか。

A: 合算可能です。

  • 新規申請時: タイ法人または海外親会社との雇用契約書に加え、タイ法人で勤務していることを証明する書面(BOI認可企業の権限者署名)を提出。
  • 更新時: 国内外の収入を合算して最低所得を満たすPND90/91と、収入がすべてタイ法人での勤務によるものである旨の証明書(タイ法人権限者署名)を提出。

Q13:BOI認可企業外に、当局の許可を受けてグループ会社でも勤務している場合、全社分の収入を最低所得として合算できますか。

A: 可能です。
BOI権利を使用している主たる会社、または許可を受けた複数のグループ会社の収入を合算できます。ただし、収入の半分超は、ビザ・就労許可の権利を使用している主たる会社からのものである必要があります。


Q14:ボーナスや役職手当、住宅手当などは最低所得に含められますか。

A: 含めることができます。

  • 初回登録時: 雇用契約書に金額を明確に記載する必要があります。
  • 更新時: PND90/91に合算し、タイ法人での勤務による収入額を示す証明書(権限者署名)を添付します。

Q15:PND90/91を使用する場合、許可されていない業務による他の収入も合算できますか。

A: 合算できません。
最低所得の算定に含まれない収入例:

  1. 当局の許可を受けていないグループ会社での追加業務収入
  2. 当局の許可を受けていない企業・団体での就労収入
  3. 懸賞金(例:宝くじ当選)
  4. 投資による利息・配当
  5. 賃貸収入や資産売却益

 

関連記事

BOI就労許可の条件(職歴・学歴・年齢・給与等)

BOIのワークパーミット(就労者の資格要件等)

一般のワークパーミットや滞在ビザと異なる点として、BOIのワークパーミットでは従来、一部の職種を除いて給与下限などの規定は無く、主として就労者の職歴が証明できれば申請可能となっていました。

今回(2025年6月)に出された通達(Por8/2568)により、全面的に給与所得に関する条件が追加されました。すでにBOI認可を受けている企業においては、2026年1月分の所得より下表の条件を満たす必要があります。それ以降にBOIのビザ・ワークパーミットを更新する際は、個人所得源泉税の納付書等をBOIに提出し、申請者の所得額を証明する必要があります。(WPを取得していない取締役などは対象外)

また今回の通達に伴い、昨年に出されたPor3/2567の規定は廃止されます。

職歴・学歴に関するルール

  • 実務経験
    ここでいう「実務経験」とは、申請する役職・職務と関連する職歴のあることを指し、また雇用証明書にそれが明記されている必要があります。例として、
    ・営業マネジャー職を申請したい場合は、営業やマーケティング職等での経験が5年以上。
    ・工場長職の場合は、製造や技術職等での経験。
    途中で転職をされている場合は、ケースによって前職からの雇用証明書と現職の証明書を合わせ、必要年数の職務経験を証明する必要があります。
  • 関連学歴
    卒業証明書等に記載された学部学科名などから、申請する役職・職務との関連性を明確に把握できる必要があります。例えば、IT技術職であれば、情報技術・コンピューター科学・ソフトウェア等の専攻。電気技術者であれば、電気工学部卒、などとなります。
    なお、一部の職種を除いて、大学卒を要求する規定はありません。

給与額・職歴等に関する規則

※会社代表者(President, CEO, Chairman, Managing Director)は年齢・職務年数は問われません。

役職等 年齢下限 関連学歴 実務経験 月給(バーツ)

上級幹部(Executive)
Director, President, CEO, General Manager など

27歳※   5年※ 150,000
管理職(Management)
Manager, Advisor,幹部補佐等
27歳   5年 学士以上:50,000
学士未満:75,000
オペレーション
Staff~Assistant Manager
22歳 有り 2年 50,000
無し 5年
科学・技術研究職 22歳 有り(学士) 2年 50,000
有り 2年 75,000
無し 5年
エンジニア 22歳 有り(学士) 2年 50,000
無し 10年 75,000
IT専門職 22歳 有り(学士) 2年 50,000
無し 5年 75,000
オペレーター(BPO、コールセンター等) 22歳 関連研修の修了証明 35,000

関連規則など

  1. 新規申請者については雇用契約に基づいて判断される(補足:提出書類等の詳細は現時点で不明)
  2. 6カ月以内の短期就労については、給与規定は適用されない。
  3. ビザ・ワークパーミットの延長申請はPND1K(年次の所得・源泉税額のまとめ表)に基づいて判断されるが、勤務開始から1年未満の場合は、直近3か月分のPND1(月次の個人所得源泉税申告書)の記載に基づいて判断される。
  4. 従前のビザ・ワークパーミットをキャンセルした後に、1年以内に同じ職種での就労を再度申請する場合は、PND1KないしPND1に基づいて判断される。
  5. 従業員が100人を超える製造業では、タイ人労働者を70%以上雇用する必要がある。
  6. 製造業/サービス業で従業員が100人未満の場合、雇用比率は考慮しない。(補足:雇用しなくてよいという事ではありません)

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